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理事長挨拶

「設立20周年記念リスクマネジメントシンポジウム」(2014年10月23日開催)開会挨拶より

リスクマネジメントはじめに
ご来場の皆様、こんにちは。
ただいま紹介に預かりました、NPO法人日本リスクマネジャー&コンサルタント協会、理事長の荒木洋二と申します。
本日はご多用のところ、当協会設立20周年記念のリスクマネジメントシンポジウムに協会会員、関係者をはじめ、ご多数の方々にご参席いただきまして、誠に有難く存じます。
理事・役員・事務局を代表し、心より御礼申し上げます。
ありがとうございます。
私から開会のご挨拶として、10分弱のお時間いただき、私どもの20年にわたる歩みならびに今後の取り組みについて簡単にご紹介させていただきます。

協会設立経緯
当協会は1993年12月、「日本リスクコンサルタント協会」の名称で任意団体として産声を上げました。
設立前後がどのような時代、社会情勢だったのか、簡単に振り返ってみます。
設立前をみてみますと世界では89年末、ヤルタからマルタといわれる米ソのトップ会談で東西冷戦が終結、91年末には共産圏の盟主ソ連が崩壊しました。希望と不安などが渦巻き、混沌とするなか、グローバル経済という新たな時代の幕開けがなされた時でした。一方、わが国日本はこの時期「バブル崩壊」が起こり、社会全般に将来を悲観するような空気が暗雲のごとく立ち込めている頃でした。

協会設立後には、95年1月に阪神淡路大震災、同年3月には地下鉄サリン事件が起こりました。これらを機に我が国でも危機管理、クライシスマネジメントが必要との認識がようやく社会全般に芽生え始めたのではないでしょうか。
私ども協会が設立されたのはこれらの狭間の時期でした。
今でこそ「リスクマネジメント」という言葉は企業社会のみならず、サッカーなどのスポーツでも頻繁に使われ、大規模な書店にいけば専用コーナーが設けられているなど一定の市民権を得たことを肌で感じることしばしばです。
しかし、当時の日本社会では非常にマイナーな言葉であり、その考え方などもほぼ知られていませんでした。
かかる時期に、これからの日本社会に必ず「リスクマネジメント」が必要になると確信し集った、志が高く先見性に優れた創業メンバーの方々。彼らの情熱とともに私ども協会は「リスクマネジメント」の専門人材育成をめざし、スタートを切りました。
私は当時の創業メンバーたちの想いを誇りに思い、あらためて、この20周年を機に心から敬意を表するものであります。
同時に今日まで多くの会員の方々のご愛顧、ご支援によって私ども協会が存続できましたこと、この場を借りて深く御礼申し上げます。

協会の主な歩み
この創業の想いに呼応、同調するかのように先見性に優れ、ビジネスセンス、アンテナの感度が高い方々が「リスクマネジメント」の言葉に惹かれ、これを学び、習得し、各自が現場で実践することで当協会は、手前味噌な表現で甚だ恐縮ですが、少数精鋭ながら「リスクマネジメント」の専門家集団として構成されていきました。
次に設立後の当協会の主な取り組みを紹介します。

95年に協会認定の第1回「リスクコンサルタント養成講座」を開講し、リスクマネジャーならびにリスクコンサルタント育成のために独自の資格制度を立ち上げ、具体的な第一歩を踏み出しました。
「リスクマネジメント」とは財務、人事労務、法務、開発・製造、広報、経営戦略などに至るまで経営全般にかかわる非常に幅広い概念です。
そのため、2002年に「チーフリスクオフィサー」資格、04年に「ファイナンシャル・リスクマネジャー」、07年「BCM、つまり事業継続マネジメント・リスクマネジャー」と新たな資格を設け、様々な領域を個々に深く掘り下げ、より専門性の高い人材育成に取り組んでまいりました。
組織体制としては96年に総会で役員を選出し、理事制度を施行、その後数年かけて評議員会、各委員会を会員から選出し、現在の会員組織の礎を築いてまいりました。

そして10年前の2004年、「21世紀社会のリスクマネジメント」をテーマにした10周年記念シンポジウム開催を機にさらなる組織強化と社会的信頼獲得をめざし、法人化に向け準備を進めました。
その結果、翌年05年9月にNPO法人として内閣府より承認され、現在の名称に変更し、06年2月には「企業の原点を問う」をテーマにNPO設立記念シンポジウムを経団連会館ホールで開催しました。この年から「日本社会に必要不可欠なリスクマネジメントの普及と定着」を目的に掲げ、新たなスタートを切りました。

社会の動向
21世紀を迎えてからの企業社会をめぐる「リスクマネジメント」の動向をみてみますと
2006年5月1日、内部統制を主眼とした会社法が施行され、その中で「損失の危険の管理に関する規定」つまり「リスクマネジメント」について触れるなど法の領域でも取り扱われるようになり、大企業を中心に一気に「リスクマネジメント」が浸透しました。
2009年11月には経営者の関与を明記した、リスクマネジメントの国際規格「ISO31000」が発行されるに至りました。
社会的には国内外での重大な出来事として

  • 2001年9月11日、アメリカ同時多発テロ
  • 2011年3月11日、東日本大震災発生とこれに伴う原発問題

これらが私たちの記憶に深く刻まれております。
その間、国内外を問わず、ほぼ間断なく企業などが引き起こす事件、事故などの不祥事や災害が発生するたびに「リスクマネジメント」あるいは「事業継続マネジメント」の重要性が謳われました。

シンポジウム開催と協会のこれからの取り組み
私どもは2009年から理事はすべて協会会員で構成されるようになり、私自身は04年事務局長就任、09年理事、11年副理事長を経て、昨年1月から理事長を拝命し、現在に至っております。
ISO31000発行以降はこれに準拠した各種「リスクマネジメント講座」などをベースに人材育成に努め、昨年、20周年記念事業として新たに「リスク診断士」資格制度を立ち上げ、本年7 月には、「リスク診断士」として特許庁から商標登録が認可されました。
そして本日、20周年記念シンポジウムをこのように無事に開催することができました。

このたびのシンポジウムのテーマは「ダイバーシティから取り組む経営改革」でございます。
我々を取り巻く経済環境、社会環境は時に激しく時に静かに、しかし確実に絶え間なく変化し続け、これらの影響を受けながら人々の意識や価値観は多様化しております。
組織、個人を問わずいかなる立場にあろうとも、変わらないという意味の不変、かつ普遍的な価値、事柄とは何であり、めまぐるしい変化に適応していくべき事柄とは何なのか、これらの問いを自らに投げかけ、自ら調えていく営みが欠かせないのではないでしょうか。

本日は「ダイバーシティ」という言葉が注目される以前から、先進的な取り組みをしてこられた4名のパネリストにご登壇いただき、皆様とともにこのテーマに向き合い、自らに、互いに問いかけ、一人ひとりの日々の営みに組み込んでいく契機となれば誠に幸いに存じます。

最後にくり返し申し上げますが、当協会の目的は「日本社会に必要不可欠なリスクマネジメントの普及と定着を図る」ことです。
20 年は人間でいえば、ようやく成人を迎えたに過ぎません。繰り返される企業の不祥事や中小企業などの現状を知るにつけ、目的実現には道半ばであり、まだ私どものミッションが果たされていない現実に忸怩たる思いも抱いております。
これからの 10 年、20 年を見据え「リスクマネジメントの普及と定着」を図るべく、「リスク診断士」の養成を起点に関係者の方々と互恵関係を築きつつ、理事・役員・事務局が一丸となり、より一層邁進してまいります。
これからも皆様からの変わらぬご愛顧、ご指導、ご支援をお願い申し上げます。

少々長くなりましたが、私からの開会のご挨拶とさせていただきます。
ありがとうございました。

特定非営利活動法人日本リスクマネジャーアンドコンサルタント協会 理事長 荒木洋二